いつのころからかPHPに関するイベントなどのゲストスピーカーとして海外からお客さんを招くことが多くなりました。さまざまなトラブルに見舞われつつもノウハウが溜まってきたので今回、記事に纏めてみることにします。CakePHPの日本での普及の裏話とも言えると思うのでちょっと無理がありますが、書いて見ることにします。

来日の依頼をする

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海外からゲストを招くとなった場合、本人にコンタクトを取って依頼をする必要があります。スピーカーをするような方であれば連絡先はWebから見つける事が出来ると思いますのでメールでのやり取りという事になるでしょう。この際に注意すべき点としては下記の点でしょう。

  • 事前に交流がある人に依頼する
  • 依頼は早めに、有名カンファレンスの時期を調べる
  • 渡航費や謝礼などの支払いを伝える
  • 依頼したいセッション内容などを決める

これは依頼を受ける側の立場を想像するとわかりやすいでしょう。何処の誰ともわからない所からの依頼はリスクが高く見えるので、事前に海外のカンファレンスで会って面識がある人を呼ぶのがベストでしょう。あるいは以前招待したゲストからの紹介やMLなどでの交流などが考えられます。またその人がどういうセッションをするのかを想像する為に公開されている動画やスライドなどには目を通したほうがよいでしょう。
また講演をされる方々はとても多忙な事が多いので同じ言語のカンファレンスの日程を調べたり依頼を早めに(最低でも半年くらい前)から行ったほうがよいでしょう。依頼したい内容とこちら側で用意できる内容などを明確にしておけば交渉が成功する可能性は高いかと思います。

航空券と宿の手配

日本への航空券と日本での滞在先のホテルの手配ですが、日本側で行うケースと先方にやってもらい、後に精算するというケースがありました。どちらも一長一短ありますが、個人的なオススメは下記です。

  • 航空券は先方に手配してもらい、後に精算する
  • ホテルは希望などを聞いた上で、こちらで手配する

航空券の予約の際にはパスポートの情報や最寄り空港の確認などクリティカルかつ行き違いの起きそうなポイントが多いです。実際に空港に行ってみたらチケットが取れていなかった!という恐怖の事態が発生した知人も居ましたのでここはなるべく本人がやったほうが事故が少ないと思います。航空券が確保できたら便名などの情報のメールを転送してもらうと空港への出迎えなども用意しやすいです。
ホテルについては日本のホテルには英語ページが無かったり、英語ページからだと料金が高い場合などがありますので日本側で手配したほうが費用的にも安く済むでしょう。(禁煙ルームの希望については必ず確認しましょう。日本の一般的なビジネスホテルの驚異的なタバコ臭さで部屋を変更せざるを得なかった人が2回ありました。)

渡航査証(ビザ)の手配

ケーキを前に各フレームワークの開発者
アメリカから人を呼ぶ場合などは問題は無いのですが、日本に入国する際にビザが必要な人をゲストとして呼ぶ場合は当該地の大使館か領事館でビザの取得申請をしてもらう必要があります。この際に日本側から依頼する内容や保証人などの書類を作成して当該地に提出する必要があります。書類の準備や申請に2週間くらいはかかる事を注意する必要があります。(ビザが降りるのがイベントに間に合うかどうかで今年はとてもヒヤヒヤする事になりました。早めの手続きが大事です。) 詳細については外務省のサイトに掲載されています。

ピザに見間違える人が多数いたので見出しを変更。

通訳の依頼

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カンファレンスでの講演に通訳をつける場合は通訳を手配する必要があります。コミュニティで行う場合もありますが、大変な重労働になりますので、予算があるのであれば専門の通訳を手配するのがオススメです。PHP系のイベントではケイワイトレード様に依頼をしており、その驚異的な通訳クオリティは費用以上の価値があります。通訳の方自身に開発の知識があるということで、「あー、いまの翻訳微妙だな」と思うことが滅多にありません。

飲み会・観光の手配

せっかく日本に来ていただくので、観光や飲み会の手配もしましょう。英語を話せる人やコミュニティで関わっている人などに声かけて楽しみます。実はカンファレンスのセッションにはあんまり新しい情報は無くて、こういった時間に話す雑談が一番新鮮で面白い情報が聞けるところだったりします。また観光については東京の場合ははとバスの英語ツアーは無難なところを回ってくれるのでオススメです。
また飲み会や食事を手配する際にはゲストにベジタリアン、お酒が飲めない、珈琲が嫌いなど食事制限がある方が居ないかを確認しましょう。

トラブルが起きたら?

5年間ほど海外からのゲスト招待を行って来ましたが、残念ながらトラブルは起こります。これまで経験したトラブルを列挙すると...

  • ゲストがホテルについたら行き違いで予約が無かった
  • ゲストがベジタリアンだったので飲み会の料理が食べられない
  • ゲストが喘息持ちで煙草臭い部屋に入れない
  • ゲストが急病により直前で来れなくなった
  • ゲストがプロジェクトを離れたので講演が直前で出来なくなった
  • ゲストのビザが当日に間に合わないかもしれない
  • ゲストの乗るフライトがキャンセルになった

どの出来事も発生したときはものすごくテンパりました。ですが意外と何とかなる事も多いです。いずれにせよゲストときちんとコミュニケーションを取ることが大事です。また最悪、セッションに穴が空いてしまったりしても気にしない方が良いでしょう。実際海外のカンファレンスだとセッションが直前でキャンセルになったりするのはたまに見かけます。また何か疑問がある際は経験がありそうな人に相談してみると意外と答えが見つかったりします。考えこみすぎても何もいいことはありません。

今思うと、最初の頃に招待したゲストの方々は本当に太っ腹でたくましい人たちでした。メールしただけで無償で来てくれて、おまけに東京駅から御茶ノ水のホテルまで歩いてチェックインし、近所の飲み屋を制覇していたり。。。バーにあるシメイが品切れになるまで飲みまくって日本の参加者のお会計まで支払ってくれたり...

これを読んだ方がゲストの方と良い時間が持てることをお祈りします。