[caption id="attachment_1593" align="aligncenter" width="600"] Photo by Lind[/caption]

すでに半月前になりますが、PHPカンファレンス2012で実行委員長をさせて頂きました。
当日はPHPカンファレンスには約600人、同時開催・共催のWordCamp Tokyoには1100人と合計で1700人という多くの方にご来場頂きました。今年はRubyKaigiやPyConなどと日程が重なってしまった事もあり、お越し頂けなかった方もいた中で多くの方に来場していただけて感謝しております。これだけの規模のイベントが滞りなく開催できているのは熱心なボランティアのスタッフ、スポンサー、スピーカーと参加者のみなさんのご協力があっての事だと思います。また今年はWordCampと一緒にイベントを開催するという事で関係者の皆さまには多大な労力を割いて頂きましたが、その甲斐もあって見たことのないイベントになったかと思います。皆様、お疲れ様でした。
参加者の方からのアンケートやツイートなどでは多くの反応を頂きましたが、その中にいくつかった疑問点などに答える為に個人的な観点から現在のカンファレンス運営の中の悩みどころを書き記して置きたいと思います。

増加する参加者と会場確保

PHPカンファレンスを開催する上でまず最初の悩みどころは会場です。
PHPカンファレンスは13年前から蒲田産業プラザPiOを会場として利用してきています。従来メイン会場として利用していた小展示ホールは300名から400名ほどの収容人数になっておりこれがそのままPHPカンファレンスの最大収容人数となっていました。今年は大きな会場が使えた事もあり600名の参加を受け付けましたが、それでもなお200名近い補欠者を出してしまっています。
またPHPのユーザのニーズも多様化している事からセッションも2〜3のマルチトラック化が必要になってきています。昨年のPHPカンファレンスでは会議室にサブトラックを充てたのですが、部屋の定員を越えてしまい参加したいのに部屋に入れずに帰るしかなかったといった出来事まで起きてしまいました。
これだけの人数が着席して静かに話を聞ける会場というのは現状の予算感ではかなり限られており、新しい会場に合わせたカンファレンスの設計などを進められる時間が確保できるスタッフもいない事からなんとか工夫してなるべく多くの方に来場してもらえるだけの会場を作るようにしています。ですが、セッションの音が混ざってしまって聞きにくいという状況が発生してしまいました。音響などで工夫できる余地はありそうですが、オープンなスペースをセッション会場に使う事自体は避けられない状況だと思います。またこの人数になってくると希望者が全員参加できるような懇親会の企画が困難になってきました。先着数百人で締め切るような形か、小さな懇親会をたくさん開催するというスタイルになるしかないのかなと思っています。

ボランティアスタッフに求められる時間的負担

イベントの準備をするスタッフにかかる時間的な負担も大きな悩みです。PHPカンファレンスは13年の経験と勘により超ダウンサイジングして運営しており、基本的にスタッフの事前MTGなどもやりません。(全体MTGは今年は0回でした)
とはいえスポンサー関連やセッションの取りまとめ、様々な企画などに携わるスタッフは結局の所毎日日中にメールなどのやりとりが出来る事が事実上必須になっていました。
とはいえ社内から外部へのやりとりが制限されていたり、多忙な環境だった場合、このような時間を確保する事が出来ないという事が起こります。(自分も以前の勤務先では苦労しました。)
結局のところフリーランスや自分で会社を営んでいる方など自分で仕事量の調整が出来る人でないとスタッフとして事前準備にコミットするのは難しいように感じました。
一方で13年の蓄積によりぶっつけ本番で当日集まっても滞り無く設営や進行、撤収をこなすPHPのコミュニティには脱帽です。最高です。

セッションの内容

セッションの内容をハイレベルな内容に持っていくか、一般的な方向に持っていくかというのも悩みどころです。ですが会場のレイアウトが許すのであればマルチトラック化して自分の興味にあったセッションを受講できるようにするのが現在のスタイルになってきています。また300人が聴講するセッションが30人聴講するセッションの10倍大事なのかというと、そういうことでもなくニッチであっても関心がある人には意味がある情報を提供できるのが望ましい形かと思います。
より深くという意味ではハンズオンセッションやアンカンファレンスのような内容も望まれる所ではありますが、運営側の負担もあって現状は様々なトピックの講演をとにかくたくさん用意するという流れになっています。また人数が小規模であれば会議室にトラックを移動する事もできるかもしれません。
またWordCampと同時開催した効果かセッションの聴講者が増えたりLT大会がバラエティに富んで盛り上がったのも今年の特徴でした。やはりカンファレンスというスタイルであるからには間口を広くとって賑わう方向に持っていくのがいいように思います。

とりとめなく書いてきましたが、今年は色々とチャレンジをしたカンファレンスでしたがかなりうまくいったように思っています。参加者の方から出ている要望に対しては来年度リベンジという事で色々と改善が進めばいいのかなと思います。関係各位の皆様、お疲れ様でした。