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WordCampの公式イベントであるWordCampがニューヨークで開催されるという事で参加してきましたのでレポートを書きます。今回は色々な縁があって
日本人の参加者が8名も居るという事で何か新しい時代の始まりを感じるようなイベントでした。

会場と受付

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会場はニューヨーク市立大学バルック校の校舎です。留学には縁がない生活を送ってきたので海外の大学構内に入るというのは初めての経験です。会場に入ると案内に従って受付がある多目的ルームに向かいます。
受付はチケットを購入した時に登録した名前のアルファベット順にテーブルが分かれており、自分のイニシャルのテーブルを探して並びます。また当日券用のテーブルも用意されていました。

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とはいえ間違って別のテーブルに並んでしまう人も結構いたようで受付にはかなり時間がかかっていたようです。受付では自分の名前とメールアドレス、ブログのアドレス、Gravatarのアイコンが印刷された名札とバッグなどのノベリティ一式がもらえます。
また朝食としてベーグルやデニッシュのサービスもしていました。受付が終わり次第、驚異の8トラックマルチセッションに各自分散して参加します。自分はオープンソースと開発者向けのセッションを中心に参加しました。

WordPress in Japan

日本でもおなじみのマクラケン直子さんによるセッション。しかし朝一番だったせいか開始当初は顔見知りしかおらず、英語を話すのはDennis Wakabayashiさんだけという異常事態。しかし徐々に参加者の方々が現れてディスカッションを交えた形のセッションになりました。話題としては日本の紹介やケータイ文化、翻訳コンテンツ(techcrunchやgigazineのこと?)、日本で人気のプラグインの紹介などでした。できればもっと多くの人にアピールしたい処ですが、残念ながらワールドワイドのWordCampで日本の話をしてもなかなか注目度は上がらないようです。

I18N

プラグインの国際化対応の手順や問題についての解説。具体的には__()を使って文字列を埋めていき、プラグイン名をドメインに指定して、、、といった感じの流れです。pofileを使った翻訳は自分もけっこう経験がありますが、この作業はクライアントソフトウェアのpoeditを使う事が多いです。このセッションでは最終的にこの作業をオンラインで行う為のプロジェクトの紹介をしていました。つまりPOTの翻訳作業がオンラインで出来るという事に。またPOTの生成をオンラインから行う方法についても言及があり、Wordpressはさすがだなと思わされました。

MyMojofiti

Dennis Wakabayashiさんによる言語の壁を超える為のSNSの紹介。具体的にはGoogle翻訳とクラウドソーシングを使った人力翻訳を組み合わせてユニバーサルなコミュニティサービスの構築を目指しているようです。
また翻訳ブリッジ部分はプラグインとして実装しているようです。Wordpressをベースに独自開発をする場合はテーマやプラグインとして実装するのが作法なのかなと思いました。

ランチ

ランチは会場内で配布して好きなところで食べるというスタイルですが、なにせ参加者が600人といった規模なので配布の流れがかなりの混雑を見せていました。

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猛烈に長い行列。

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見たことないくらい長いサンドイッチを「止まるなー」の掛け声の中でピックアップ

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味はかなりおいしく、市内で食べたとしてもおいしい部類でした。ちゃんとベジタリアン向けのメニューも用意されていましたよ。

Lessons from Mozilla Community

Mozilla.orgからautomatticに移ってきたkimさんの講演。Mozillaでの経験を元に活発なコミュニティを作るための要素などの紹介でした。

非常に面白い内容だったので印象的な点を箇条書きで。
- 250人の従業員
- 40%以上のコードが外部からの貢献
- New York Timesに寄付を求める広告を出したところ25万ドルもの寄付が!
- 意志決定を分散するFirefoxロゴを作った話(サプライズは大事)
- CMスポットがかっこいい

Search API

検索機能のプラグインをどのように実装するかというセッション。既存のプラグインとしてはGoogleの詳細検索を使うもの、MySQLを使うもの、Sphinxを使うものがあるそうです。
Sphinxは全文検索エンジンのようですが知らない名前だったので新鮮でした。

Elasstic Demo

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リッチエディタを操作するだけでテーマが作れるというElasticというプラグインのデモ。このプラグインはGoogle Summer of Codeで作成されたものようです。矩形をブラウザで書いて領域にエリアを割り当てていういきながらテーマが作成される様子はかなりのインパクトがありました。
また作成したテーマは通常の方法で作成したテーマと変わらない形で保存されるのでそのまま再配布が可能という高性能ぶりです。

小話的に出てきたMySpaceのとっちらかったデザインみたいな話があり、日本ではMySpaceがマイナーなので付いていけず、カルチャーギャップを感じました。

Writing 1st core patch

Wordpressにパッチを出すまでの手順のセッション。途中から入場したので部分的な理解になりますが、書いた差分をSVNでdiffを取るか、patchコマンドでパッチをつくって送ってくださいという話。
やはりWordPressのユーザーに合わせての説明という事で極力GUIを使ったり、コマンドラインを出す時には丁寧な説明を行っていたのが印象的でした。

Optimizing Cache

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WordPressの負荷対策をどのように行うかというセッション。キャッチーなタイトルではありますが内容はエンジニアではない人に向けて負荷の原因の説明といった形でした。

- Apacheの動作原理
- MySQLの動作
- 書き込みロックの話
- キャッシュ wp_optionsテーブルへのキャッシュ
- MyISAM から InnoDBにする
- コマンドラインで負荷をチェック(top htop mytop apachetop)
- プラグインやテーマを最適化する
- wp-tuner, firebug, yslow でボトルネックを特定する

Advanced Development Techniques

簡単なPHPのコーディングをする人に向けたツールやテクニックの紹介など。
IDEやエディタの紹介、MAMPなどの紹介、hostsの編集、SVNなどの利用など純粋なエンジニアにとっては常識的なツールをエンジニアでない人にむけてひとつひとつ説明していくという内容でした。

全体を通じて

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セッションの内容はPHPの開発者にとってはだいぶ簡単といってよいレベルでしたが、参加者の数が700人、レベルもとても幅広く50台くらいのおばさまや老夫婦、ベビーカーを押しているお母さんなど衝撃的な客層の方が多く驚きました。そういった人たちが自分でWordPressをインストールし、使っているという事実。そしてそれを可能にしているダッシュボードやプラグインといった技術のユーザビリティの高さを目の当たりにして大変な衝撃を受けました。

日本でのイベントではまだまだ技術者やWEB製作に携わる人の参加が多いのが実態だと思いますが、市民集会のようなレベルでユーザが集まり交流しているWordPressのポテンシャルは日本で考えていたよりもさらにさらに大きなものだなと感じた一日でした。