photo by tsukimiya

yandodです。
激動のPHPカンファレンスから1週間が経過しました。まだ残務が残っていますが、関係者の皆様お疲れ様でした。

自分はCakePHPについての講演もしましたが同時にプログラム委員としてカンファレンス全体の内容を企画して推進する立場にありました。この記事ではプログラム委員として、今回のPHPカンファレンスに対して持っていた想いを綴っておきたいと思います。

「終わっている」「ダサい」「低レベル」というPHPへの偏見

PHPが爆発的に普及し始めたのはおそらくPHP4でmbstringが意識せずに使えるようになった頃ではないかと思います。
それまでPerlを使っていた人々や逆にプログラミング言語を知らずにHTMLの延長で利用する人がユーザ数を支えていたのでしょう。
「PHPを使ってみるのが先進的」というある種、夢のような時代。昔はよかった。

事実として今のPHPに対する(特に日本での)評価は高くないと思っています。どう高くないかははてなブックマークでPHPのタグが付いている記事を読むとわかると思います。
これはPHPユーザとしてはとても悲しい事です。

世界的なトレンドとの隔たり

ほぼ毎月のペースで開催されているPHP勉強会というイベントがあります。事実上、PHPユーザ会が運営している公式イベントという事でいいと思います。このイベントでは昨今、ネタがなかなか出てこないという状況にあります。
しかし本当に語りつくされてしまったとは僕には思えませんでした。
海外で開催されているPHPのカンファレンスでは山のようなセッションと豪華なスピーカーが世界中に利用者がいるサイトの事例などを紹介していたからです。

ただ日本のユーザの中でこういった話題に目を向けている人はかなり少数だったと思います。
PHPに関する有名人の名前で知っているのってラスマス・ラードフと藤本神くらいなんじゃないでしょうか。
でも、本当にそれでいいの?

壁を壊せ

今回のカンファレンスで僕が目指したのは日本のコミュニティと国際的なコミュニティの間にある話題の壁、心理的な壁を壊す事でした。
目を向ける範囲を広げればまだまだ面白いネタはたくさんあるし、圧倒的に活発といっていい状況です。
最近の勉強会ではそういったトピックを紹介をする事もしてみましたが、インパクトを大きくする為には海外からの講演者の招聘は欠かす事はできない条件でした。

圧倒的なシェアを誇るブログエンジン wordpress、世界最大のSNSであるFacebook、近いようで知らない台湾PHPUG、日本で人気のフレームワーク symfonyと一気に海外から4つの講演を招待する事に挑むことになりました。
とはいえ海外から講演を招待した実績もほぼゼロです。ちょうど2009年の年明けごろから交渉を始め、プログラムが確定するまでには8か月近くの時間が必要になりました。

世界はまだまだ広がっている

今回のカンファレンスに参加してくださった皆さんの中にはなにかしらの形で「○○はこんなにすごかったのか!」とか「○○さんのセッションは面白かった!」というインパクトが海外招待講演を中心にあったと思います。
でもここで皆さんにもう一度考えてもらいたいのは、「単に関心を払ってこなかった」だけなんじゃないかという事です。
目玉ゲストを複数招待した意図もここにあるのですが、自分がすごいと思った以外の部分にも思いを向けてみてください。

「もっとすごいプロダクトがあるんじゃないか?」
「もっとエキサイティングなスピーカーがいるんじゃないか?」
「もっと熱いネタがあるんじゃないか?」

答えは全部YESです。
普段はどうしても自分の関心があるところを中心に考えてしまうものですが、時には関心の範囲を外に広げてみるともっと楽しくなるかもしれません。
そんなきっかけを参加者の皆さんに残すのが僕の今回の目標でした。

最後になりますが、僕のわがままな想いに振り回される事になった実行委員のみなさんありがとうございました。
僕はこの一点を重視して行動していたので、さまざまな所で至らない所があったと思います。
この場を借りてお詫びを申し上げつつ、エントリを締めたいと思います。